営業マンは「押さない」

テレアポでの誤解の一つ、というか、テレアポだからこうなってしまっていると思えることに、相手にしゃべらせない、ということがあります。なかなかアポが取れない状態では、相手にしゃべる機会を与えてしまうと、「いまは必要ない」「間に合っている」などとあっさり電話を切られてしまうからです。人間、明確に「こういう理由で断ります」と言われれば納得できます。しかし、テレアポの場合は、明確な理由を言ってくれる人はほとんどいません。これでは、とても中途半端に電話が終わってしまいます。とてもストレスになります。フラストレーションが残ります。こういうことが続くと、テレアポが嫌いになります。そして、自分が行っている仕事に疑問を抱くことにもなってしまいます。そこで、こんなふうに考えるようになります。相手にしゃべらせると電話を切られる。だから、これに対応するには、「相手に有無を言わせないことだ!」。そして、「押して押して押しまくってアポを取ろう!」と。そのようなことから、テレアポでは、押して押して押しまくるのが正しいと誤解している人が多くいます。

つまり、相手にしゃべらせる時間を与えないで、一気にアポを取り付けることが正しと思っているのです。言うまでもなく、会話の基本は相互通行、キャッチボールです。自分がしゃべって相手もしゃべる。交互にしゃべって初めて会話が成立します。一方的に話されると、押し付けられたイヤな気分だけが残ります。また、そんな状況で、無理にアポを取っても意味がありません。会いたくない人に無理にアポを取るのは、言わば「押し売り」のようなものです。

私は、テレアポでスムーズに会話を進めるために、相手にもきちっとしゃべってもらう方法を取っています。しかも、それは「いまは必要ない」「間に合っている」とは言わせないズルい方法です。それは、どういう方法か。簡単です。質問をするのです。

このような簡単な質問です。この場合、この質問の回答は人材派遣を使っているか、使っていないかのどちらかです。回答が二者択一のどちらかしかないため、「いまは必要ない」「間に合っている」という回答にはなりません。そして、この二つの回答に対する営業トークを事前に考えておけば、あっさり切られてしまうことはなくなるのです。

質問の方法には、二つの種類があります。オープンクェスチョンとクローズドクェスチョンと呼ばれるものです。オープンクェスチョンとは、「この意見をどう思いますか?」という質問形式で、の回答パターンが無数に考えられる、広い聞き方です。一方、クローズドクェスチョンとは、「この商品は好きですか? 嫌いですか?」という質問形式で、相手が「好き」か「嫌い」か、「使っているか」か「使っていないか」かといった、回答が二つに絞られる聞き方です。テレアポの場合は、クローズドクェスチョンを使ったほうがいいことが多いのです。